今や全国各地に存在する「動く歩道」(正式名称:ムービングウォーク)ですが、日本で初めて設置されたのが大阪の阪急梅田駅でした。
動く歩道は「人が立ったまま移動する」ために開発された画期的な装置で、利用すればさぞかし移動が楽になるに違いありません。
ところが大阪人は動く歩道で一切立ち止まらず、恐ろしいスピードで歩き続けると噂されています。
これは果たして本当でしょうか?
いくらせっかちな気質の大阪人とはいえ、全員が歩くわけではなく、他の地方より少し多いくらいでは?
というわけで、「大阪の動く歩道で歩くor走る人の割合」を検証してみました。
検証方法
検証方法はとてもシンプルです。
動く歩道を通行する1000人のうち、立ち止まった人の数をカウントしました。

検証した場所は、阪急梅田駅と阪急百貨店うめだ本店を結ぶ、日本初の由緒正しき動く歩道。
今回は阪急梅田駅から阪急百貨店方面へ向かう人のみをカウントしました。
検証した時間は、土曜日の午前10時頃。
平日の通勤ラッシュの時間ともなれば、1分1秒でも無駄にしまいと急ぐ人が大勢いると思いますが、さすがに土曜日の昼間ならそんなに急いでいる人もいないでしょう。
検証結果
立ち止まる人もそれなりにいるだろう…。
という当初の予想とは裏腹に、ほとんどの人がものすごい勢いで阪急百貨店方面へと吸い込まれていきます。
中にはありえないくらいのスピードで駆け抜けていく人も…。
そんなに急いでどこへ行くのでしょうね^^;

1000人が通行するのに要した時間は約25分でした。
検証結果は…。
動く歩道で立ち止まった人は1000人中17人でした!
なんと、98%以上の人が歩くか走って通行するという衝撃の結果に!
いやはや、恐れ入りました。
立ち止まった17人の大半は高齢者の方でした。
そして多数の人が立ち止まる人に対して、横から迷惑そうな表情で追い抜かしていきます。
大阪では動く歩道は歩くのが当たり前で、立ち止まると却って迷惑なのです。
動く歩道の実力は?

これだけ多数の人が歩いて通行する動く歩道。
歩けば一体どれだけの時間短縮になるのでしょうか?
ストップウォッチを使って検証してみました。
検証したのは次の3パターンです。
- 動く歩道を使わずに歩く
- 動く歩道を歩く
- 動く歩道で立ち止まる
それでは順番に見ていきましょう。
①動く歩道を使わずに歩いた場合
まずは動く歩道を利用せず、横の通路を歩いた場合の時間を計測してみました。
結果は29秒81
なお、私は歩くスピードが平均より少し速いと思います。
②動く歩道を歩いた場合
次に動く歩道を歩いた場合の時間を計測してみました。
お~速い速い!
動く歩道を歩くのってなんだか気持ちいいですね(笑)
結果は22秒05
動く歩道を使わなかった場合と比較して7.76秒の時間短縮となりました。
たったの7秒と感じるかもしれませんが、そこに動く歩道があるのに使わないという選択肢はないでしょう。
①動く歩道で立ち止まった場合
最後に動く歩道で立ち止まった場合の時間を計測してみました。
本来はこちらが動く歩道の正しい使い方のはずですが、ここでは完全にアウェイ。
迷惑がられてしまうので、人がいないタイミングを見計らって計測しました。
結果は1分15秒44
あらら、歩いた場合の3倍以上もかかってしまいましたね…。
動く歩道を使わなかった場合と比較しても2倍以上。
これなら立ち止まる人が少ないのも納得せざるを得ません。
動く歩道は遅かった
動く歩道で立ち止まると、かなり時間のロスになってしまうことが判明しました。
ほとんどの人が歩くのは、動く歩道が遅いのが原因かもしれませんね。
もっと速くできないのかと思いますが、これ以上速くすると事故に繋がる恐れがあって危険なのでしょう。
動く歩道は歩く歩道
大阪では動く歩道のことを「歩く歩道」と呼ぶ人が多いんです。
「頭痛が痛い」のようなおかしな日本語ですが、98%もの人が歩いている現状を目にすると、あながち間違いではない気がしますね。
大阪では動く歩道は「自動移動装置」ではなく「加速装置」なのです。
今日もいつものように日常は流れ、阪急梅田駅では大勢の人が、ものすごい勢いで動く歩道を駆け抜けていることでしょう。